作・絵:Pija Lindenbaum(ピーヤ・リンデンバウム)

Gittan och gråvargarna

ギッタンとはいいろおおかみ

 ギッタンはとっても怖がりな女の子。落ちると怖いので屋根には登らないし、噛まれると怖いので犬には触りません。しかしある日のこと、ギッタンは幼稚園の散歩の最中に、森で迷子になってしまいます。みんなが戻って来るのをじっと待つギッタン。そうしてずいぶん長いこと待ってから、恐る恐る森の中を進んでみますが、木は高くなるばかり。どうやらますます森の深いほうに来てしまったようです。

 そして突然木々の間から、黄色い光がのぞきます。それは木の幹の裏にひそむ、はいいろおおかみたちの目でした。ギッタンは一生懸命、おおかみたちに保育園の場所を尋ねますが…

 おおかみといえばどうしても民話などの怖いイメージが先行しますが、この絵本ではまったく逆。ちょっとまぬけでユーモラスな彼らは、だんだんギッタンと仲良くなっていきます。でも彼ら、見た目は割とがっつりおおかみなので、そのアンバランスさが妙に魅力的です。最後のページでは、初めは怖くて登れなかった屋根の上で、笑顔を見せているギッタンを見ることができます。

 この絵本は2010年度のアウグスト賞・子ども向け部門を受賞しています。アウグスト賞はその年のスウェーデンで出版された本を対象に、フィクション部門、ノンフィクション部門、そして子ども向け部門の3つに分かれた文学賞です。かのアウグスト・ストリンドバリの名を冠し、1989年から続いています。

​(スウェーデン語専攻4年 有園)

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