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作・絵:Lotta Geffenblad(ロッタ・ゲッフェンブラード)

Astons stenar

アストンの石

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 アストンは優しいお父さん、お母さんと一緒に暮らしている犬のぼうやです。秋も深まるある夕暮れ、お母さんと一緒の買い物帰りに、アストンは冷たい水たまりの中に石が落ちているのを見つけます。石はひとりぼっちで凍えているように見えました。なんてかわいそうな石だろう! アストンはその石を家に持ち帰り、人形用のベッドに寝かせてあげます。

 それから毎日、アストンはひとりぼっちの石、凍えている石、くたびれている石を見つけます。大きな石も小さな石も、アストンは家に連れて帰って、それぞれベッドで温かくすごせるようにしてあげました。でも残念ながら、家のスペースには限りがあります。お父さんはアストンに「石たちが休暇を素敵に過ごせる場所を探してあげようよ」と提案しますが…

 道に落ちている石を、「さびしそうだから」「さむそうだから」とお世話をするアストンを見ていると、なんだか温かい気持ちになりました。子どものころ、何であれ「ものを集める」ことに熱中した方は多いのではないでしょうか。そんな子ども心をちょっと思い出させてくれる絵本です。アストンのこだわりを温かく見守るお父さん、お母さんも印象的です。一見重厚な絵も、独特の温かみが感じられます。

 このお話、お父さんの機転で一件落着するかと思えば、ちょっと意外なオチが待っています。邦訳も出ているので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。

​(スウェーデン語専攻4年 有園)

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