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作・絵:Jöns Mellgren(ヨーンス・メルグレン)

Sigrid och Natten

シグリッドと夜

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 シグリッドはもう三十年近く、まともに眠れたことがありません。ある朝、彼女がミューズリー用のレーズンを仕分けているとき、かすかな物音がソファの下から聞こえてきました。覗き込んでみると、なにやら暗いものがうごめいています。それは動物でも幽霊でもありません。それは「夜」でした──。 

 不思議な読後感を残す絵本です。疲れ切った「夜」が、シグリッドという女性の過去の話に触れて力を取り戻す物語なのですが、「夜」の登場は唐突で、その存在についての説明はまったくと言っていいほどありません。「夜」は他のキャラクターと同じように扱われているわけでもなく、作中で不思議な存在感をはなっています。 

 シグリッドはそんな「夜」に昔の話を聞かせてあげます。かつて彼女が灯台守だったころに出会った象、オラルフとの思い出、そして悲しい別れの物語です。語り終えたシグリッドは、「夜」と一緒にオラルフの墓参りに出かけます。最後のシーンでは、「夜」はシグリッドの涙を受けてだんだん大きくなり、皆を包み込んで休ませてくれます。久しぶりにぐっすりと眠るシグリッドが見ているのは、象オラルフとの幸せな夢なのでした。 

 作者ヨーンス・メルグレンのホームページ(http://www.jonsmellgren.com/)によると、この絵本を原作とした短編アニメーションが2019年に公開されるそうです。同ホームページではすでにトレーラーを見ることができます。絵本の絵がそのまま動いているかのような、素晴らしい映像です。 

(スウェーデン語専攻4年 有園)

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