作・絵:Ann-Madeleine Gelotte(アン・マデレイン・イェロッテ)

Ida Maria från Arfliden

アルフリーデンのイーダ・マリア

 ノルランドの北のほう、ボウルボヤウレ湖のすぐそばに、アルフリーデンはあります。1800年代の終わりごろ、そこには2つの小さな灰色の小屋がありました。片方にはアウグスト・ニルションと彼の大家族が、もう片方にはイーダ・マリアとその両親、父方の祖母、そしてたくさんの兄妹が住んでいました。この本の見返しに載っている絵は、イーダ・マリアの家族の絵です。右端に描かれた、小さな天使はヨハンです。ヨハンはイーダの最初の弟でしたが、一歳にならないうちに亡くなってしまいました。この時代のアルフリーデンでは、死んだ子どもは皆天使になるというのが当たり前でした。ではそんなこの時代について、ここからはイーダ・マリア自身に話してもらいましょう…

 8日に紹介した「オーデン通り10番地のティーラ」の前日談にあたるお話です。作者アン・マデレイン・イェロッテの母方の祖母イーダが子ども時代をすごした、1880-90年代のノルランドのきこりの一家の生活が描かれています。やはり時代考証がきっちりされていて、小屋や家具などは実際にモデルを作り、祖母と話し合いながら絵を描いていったそうです。描かれているのはきこりの一家の仕事や遊び、糸紡ぎや機織りといった家事、お風呂の様子、村の先生の授業といった日常です。

 イェロッテのこうした作品群や、15日に紹介したボディル・ハグブリンクの「サーミの人々の旅路」を読んでいると、異なる時代での生活や異文化の日常が非常に興味深く感じられ、同時に親しみも覚えました。こうした事実に基づいたタイプの絵本は、子どもも大人も楽しめますし、資料的な価値も高いと思います。イェロッテの絵本は巻末に参考文献リストもつけられています。

​(スウェーデン語専攻4年 有園)

(イーダ・マリアの家族)

ベル.png

​back