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作:Ulf Stark(ウルフ・スタルク)

絵:Anna Höglund(アンナ・フーグルンド)

Kan du vissla Johanna

おじいちゃんの口笛

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 七歳の少年ベッラには、おじいちゃんがいません。友達のウッフェのおじいちゃんのはなしを聞いて、自分もおじいちゃんが欲しくなったベッラ。そんなベッラに、ウッフェはおじいさんがいっぱいいる場所を知っているといいます。それは老人ホームです。

 暗い廊下を歩いているうちに、ベッラはここに来たことをちょっと後悔し始めますが、ウッフェは足を止めません。そのうち二人は一人ぼっちのおじいさんの部屋に入りこみました。

「おじいちゃん。僕、ベッラといいます」

 そういって、ベッラはおじいさんに庭で摘んだ花を差し出しました。

「なんと」おじいさんはいいます。「私は君のおじいちゃんだったかな?」

「うーん、ここに来るのは初めてだけど」とベッラ。

 するとおじいさんはベッラを抱きしめて、大きくなったなあと言ってくれます。

 ひょんなことから出会った孤独な老人と少年たちの温かい交流、そして別れを、優しくユーモラスに描いた名作です。一緒に凧を作ったり、口笛を教えてくれたりと、ベッラを本当の孫のように接してくれるおじいちゃん。ベッラはおじいちゃんの好きな曲を口笛で吹けるようになりたいと、一生懸命練習します。やっと吹けるようになってから、喜び勇んでおじいちゃんのもとへでかけていきますが…

 ウルフ・スタルク(1944-2017)はスウェーデンで長い間、児童文学の第一人者として活躍されていた方です。彼の作品は多くの言語に翻訳され、世界中で読まれています。代表的な絵本に”Jaguaren”「ぼくはジャガーだ」、”Min vän Percys magiska gymnastikskor”「パーシーの魔法の運動ぐつ」、”Liten”「ちいさくなったパパ」、”Min syster är en ängel”「おねえちゃんは天使」などなど。この「おじいちゃんの口笛」や”Sixten”「フィッテン」など、実写化されたものも数多くあります。

(スウェーデン語専攻4年 有園)

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