Nordbrandt 自身が4つの詩を読み上げています。
1) "Hvor vi end rejser hen" (fra Opbrud og ankomster)
2) "Violinbyggerns by" (fra Violinbyggernes by)
3) "New Haven" (fra Vandspejlet)
4) "Akheron" (fra Ormene ved himlens port)
5) "Drøm om fortvivlelse" (fra Drømmebroer)

​ノアブラント:Henrik Nordbrandt

オススメの作品は?

オススメはウーン、迷います。2000年に北欧理事会文学賞(Nordisk Råds Litteraturpris)の受賞作となったDrømmebroer(『夢の浮橋』1998)が高い評価を受けているのと、この作品をお誕生日祝いにもらったこともあり、とても気に入って大切にしています。しかし小説のように気に入った詩集を一冊に絞るのは難しいですね。とりわけ、ノアブラントの詩は用いている言葉は比較的易しく、一見さっと読めそうに思うのです。ところが実際に読んでみると、なんとメタファーに富んでいて解釈の難しいこと!例えば『夢の浮橋』のなかの一編  ”Drøm om drøm” はこんな詩です。Jeg drømmer, at jeg drømmer. / Jeg lever, at jeg lever. / Jeg dør, at jeg dør. /Jeg elsker, at jeg elsker. / Jeg elsker, at jeg drømmer / at jeg lever, jeg dør. / Jeg dør, at jeg elsker / at jeg elsker, at jeg elsker. 皆さん、訳に挑戦して見てください。私には分かるようで、まったく分かりません。でも誰にも分かる詩も書いています。1986年に刊行された詩集Håndens skælven i november(『十一月の手の震え』)はこんな風に始まります。Året har 16 måneder: November / december, januar, februar, marts, april / maj, juni, juli, august, september / oktober, november, november, november, november. ノアブラントもキェルケゴールの影響を受けた詩人と言われているのですが、季節と住処に関しては、キェルケゴールと半ば正反対と言えるのではないでしょうか。Nordbrandtはデンマークの憂愁な秋を避け、成人してからの人生の大半をギリシャ、トルコ、北アフリカなど地中海周辺の国々で暮らしており、定住地を持たない移動文学の詩人として知られています。

ノアブラント の作品に触れるきっかけは?

最初のきっかけはコペンハーゲン大学での「文学分析」の授業で取り上げられた「今日の詩」(”Dagens digt”)でノアブラントの詩が紹介されたときに遡ります。私にとって、コペンハーゲン大学の「文学分析」の授業でまったく知らなかった詩人の詩を毎週一つずつ読んでいくのはとても楽しい作業でした。詩はたとえ内容が抽象的であっても、長さはせいぜい20行以下。一週間で小説一冊を読むのとは違い、読んだという達成感が得られます。凝縮された言葉がかもし出す雰囲気、そして微妙なニュアンスに、自己満足ながらも浸ることができるからです。最初に出会った詩は彼の初期の詩集Omgivelser(『環世界』1972)に収められている“Når et menneske dør”(「ひとが死ぬとき」)です。Når et menneske dør / bliver dets omgivelser tilbage: / Bjergene i det fjerne / kvarterets huse/ og vejen som om søndagen / går over en træbro / lige inden den fører ud ad byen./ Og forårssolskinnet / som lidt ud på eftermiddagen / når en hylde med bøger / og tidsskrifter, som uden tvivl / engang var nye./ Det er ikke spor mærkeligt./ Men det har ikke desto mindre / ofte undret mig.読んだだけで日本語に訳したことがないので自信はありませんが、こんな詩でしょうか? 「ひとが死ぬとき/周りの世界はそのまま残る。/遠くの山々/近くの家々/そしてあたかも日曜日のような道が/木橋を渡っていく/町を抜ける寸前に。/そして春の日差しが/午後を少し過ぎた頃/到達する/かつては間違いなく新しかった/本や雑誌の詰まった本棚に/それは少しも不思議なことではない。/それでもやはりときとして私を驚かせる。」