作・絵:Elsa Beskow(エルサ・ベスコフ)

 Tomtebobarnen

もりのこびとたち

 エルサ・ベスコフはスウェーデンを代表する絵本作家。日本でも多数の絵本が翻訳出版されており、知名度は高いのではないでしょうか。その優しくファンタジックなイラストは、現代日本の「北欧」イメージの一端を成しているとさえいえるほど、印象深いものです。

 深い深い森の奥に暮らすこびとの一家。お父さんとお母さん、そして元気なこどもが四人いて、きのこに似せた赤い帽子をかぶっています。こどもたちはリスやカエルと遊んだり、お父さんの蛇退治をこわごわ見学したり、隣の山に住んでいるトロルにびっくりしたり。こうして夏の間は楽しくすごしますが、秋になると冬の生活の準備を始めます。再び春がめぐってくるまでの、こびと一家の四季を綴った絵本です。

 タイトルにもあるTomte(トムテ)とは「こびと」のこと。北欧には「こびと」に関する民間伝承が多くありますが、国によって名称や詳細が異なっています。

 またこの絵本では山に住むトロルや妖精など、他の伝承も多く顔を出しています。トロルというと今では映画やゲームなどでおなじみの存在になっていますが、もともとは北欧の伝説的存在です。ハリー・ポッターシリーズにもトロールは登場しますね。

 北欧の森の緑は、日本のものともまた違った独特の濃さがあります。この絵本に描かれている森からも、その雰囲気は十分に感じ取れると思います。

 日本語訳は大塚勇三。多くの北欧児童文学を訳した方です。北欧の作品以外でも、「スーホの白い馬」などの再話で有名です。

(スウェーデン語専攻4年 有園)

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